「アルヴァ・アアルト―もうひとつの自然」展へ行ってきました
神奈川県立近代美術館 葉山館で開催中の、
「アルヴァ・アアルト―もうひとつの自然」展へ行ってきました。
神奈川県立近代美術館 葉山館はJR横須賀線の逗子駅からバスで20分、
もしくは車で逗子インターチェンジから7.6kmと、ちょっとアクセスには不便なところにあります。
その分、都心にある美術館とは違い、自然を身近に体感できる環境にあります。
建物は中庭を囲んだL字型のプランで、山と海を取り込んだような設計。
中庭にはイサム・ノグチ作の「こけし」が佇んでいます。
海にせり出すように造られたレストラン「オランジュ・ブルー」も併設されています。
平日にもかかわらず満席で、席が空くのを待っているお客さんがいるほどの盛況ぶりでした。
アルヴァ・アアルト(1898-1976)はフィンランドの建築家。
モダニズムの枠にとらわれない有機的なデザインが特徴的で、
北欧ならではの優しい色使いや素材感が人気です。
アアルトは建築だけでなく家具のデザインにも明るく、数々の名作家具を生み出しました。
そのため、いわゆる北欧デザインが好きな一般の方々にも認知度が高く、ご存じの方も多いのではないかと思います。
今回の展示ではアアルトの設計した建築が写真や模型で紹介され、
実物の家具や装飾のタイルなども置かれていました。
見どころは「パイミオのサナトリウムの再現」と「アアルト ルーム」の2つ。
パイミオのサナトリウムは、アアルトが設計したフィンランドのパイミオにある結核患者の療養所です。
深い森に囲まれた立地で、施設で使用する家具や照明器具、洗面陶器なども全てアアルトがデザインしました。
写真撮影が禁止だったためイメージを伝えるのが難しいのですが、
一部屋の空間にベッドや洗面台、照明が配置され、当時の姿が完全に再現されていました。
気になる方は、「パイミオのサナトリウム」などで検索してみて下さい。
一方の「アアルト ルーム」は、artekとiittalaが用意したアアルトの代表的なスツールやテーブル、花瓶などが展示されていて、
自由に手に取ったり座ったり、写真を撮ったりすることが出来るスペースになっています。
相模湾を眺められるリビングのようなスペースがあったり、
カラフルなリノリウム貼りや塗装、クッション貼りのスツール60が沢山並んでいたり、
化粧鏡のあるメイクスペースのような空間もありました。
葉山館での開催は11月25日まで。
この後は名古屋を巡回し、来年の2019年2月16日からは東京駅の東京ステーションギャラリーで約2ヶ月間開催されます。
葉山まで行くのはちょっと…という方は、来年の東京での開催をお待ち下さい。
でも、「アアルト ルーム」から眺める夕日はとても綺麗なので、葉山館での見学が断然おすすめです。
by hachiga