石岡瑛子展 血が、汗が、涙がデザインできるか
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映画や本、音楽にゲームなど、自宅で楽しむ方法はいくらでもある現代ですが、美術館で作品に触れることと同等の体験をすることはなかなか難しいですよね。
どうしても訪れたい展覧会があり、行ってきました。
グラフィックデザイナー、アートディレクターとして世界で活躍した日本人女性の初の回顧展が、東京都現代美術館で開催中です。
私の忘れられない映画『落下の王国』の衣装デザインをした方として強く印象に残っていました。
これは見に行かなければ!と思ったのです。
衣装デザイナーのイメージが強かったのですが、初めから衣装デザインの仕事をしていたわけではなく、
ポスターや商品パッケージデザインや装丁など、アートディレクター、デザイナーとしての仕事もたくさん見ることができます。
誰もが目にしたことがあるようなデザインもありますよ。
私が感動したのは(あの!)マイルス・ディヴィスのアルバムジャケットのデザイン。
写真家に対して細かく指示を出している様子が資料から伝わってきて、なんだか胸が熱くなりました。
展覧会の後半は衣装デザインが多く、映画だけでなく、北京オリンピックやオペラの衣装なども大ボリュームで見ることができます。
映画『落下の王国』のコーナーはもう…大満足です。
余談ですがこの映画、配給会社が倒産した関係か(?)、リバイバル上映は一度もされていないようです。
私は上映期間中に映画館で観ることができず、とても後悔。。
DVDはその後購入しましたが、今ではなかなか手に入らないのだとか。
レンタルはできると思うのでぜひ観ていただきたいです。
石岡瑛子さんが社会に出た1960年代はまだまだ働く女性が少なかった時代。
男性ばかりの環境で優れた仕事を残し、世界中で大きな功績を残したいわば先駆者です。
働く女性には特に心に残る展示になるのではと思いました。
ちなみに図録も買ったのですが、安藤忠雄さんなど署名人が寄せた石岡瑛子さんに関する文章もあり、読み応えがありそうでこれから楽しみです。
なかなか外出できないこの頃、展覧会に行くのは難しいかと思いますが、今週末にテレビ番組で紹介されるようです。
1月30日(土)22:00~の「新美の巨人たち」
興味のある方にぜひ見ていただきたいです。
by kato