妹島和代氏設計の新校舎見学
2021年に建った妹島和代氏設計の
日本女子大学 百二十年館・杏彩館の見学会へ行ってきました。
2021年で創立120周年になる日本女子大学。
目白キャンパスと西生田キャンパスを目白キャンパスに統合し、
「目白の森キャンパス」というコンセプトのもと、
地域に開く大学を目指して3つの建物が建設されました。
流入する学部の研究室が入る「百二十年館」
増える生徒の居場所となる「杏彩館」
新しい建物建設に当たって移設する「図書館」
妹島氏は日本女子大学のOGで、
意外にもキャンパス設計は初とのこと。
こちらが百二十年館。
1階がピロティになっていて、
妹島氏の特徴である繊細な柱や細い窓枠の軽やかな外観です。
ピロティを抜けると地下1階が吹き抜けたテラスになっており、
建物のボリュームを感じさせない解放的な空間でした。
植栽は椿やプルーン等様々で、ピロティの琵琶の実を食べた学生もいるそう。
西生田キャンパスにあった人間社会学部の研究室が並び、
壁は直接文字が書けたり貼ったりできる仕様で、
何となく各研究室の色が見える楽しい廊下でした。
廊下に置かれた椅子。
日本女子大の校章に使われている桜の色。
そしてもう1つ、杏彩館。
食堂と滞在スペースを兼ねたアールの屋根が可愛らしい建物。
大きなヴォールト屋根は構造・施工・費用面で大変ということで、
小さなヴォールトをパターンとして連続することで解決したそうです。
結果的にデザインのアクセントとして活きていますね。
(この波のようなモチーフは他の建物にも使われていました。)
杏彩館2階。
ヴォールト屋根の大空間と、妹島氏拘りのソファ。
天井にスリットを入れる事で音を分散し、反響音を抑えているそうです。
1階の外部空間にはキッチンカーが来るそう。
今回の見学会では見られませんでしたが、
目白通りを挟んで対面に図書館も計画の1つとして建てられていました。
↓図書館の外観
見学会の最後には講演会も開かれ、
大学側・設計・施工・コンサルと、4社それぞれの想いも聴講。
↓講演会の開かれた講堂
建物を通して、学生たちが様々な発見や交流を生み豊かな大学生活を送る事への期待を感じました。
2024年には建築デザイン学部(仮)が新設されるそうで、
妹島氏の空間で育った建築家が輩出されるのも楽しみですね。
by hirabayashi