松濤美術館の「須田悦弘」展へ行ってきました

先日の2月2日まで渋谷の松濤美術館で開催されていた「須田悦弘」展へ行ってきました。美術館のいたるところに木彫の作品が潜んでいる、とってもユニークな展示でした。
松濤美術館

松濤美術館は高級住宅地である渋谷区松濤にあります。美術館の設計者は建築家の白井晟一で、都内の作品だと麻布台の板倉交差点に建つノアビルを見たことがある方は多いかもしれません。(「そう言われれば見たことある~」と気づくような外観です。)白井は書籍の装丁デザインも多く手掛けていて、中公新書の鳥をモチーフにしたマークは白井によるものだそうです。

地下2階、地上2階の4フロアで、地下2階中央にはなんと噴水があります。各階をつなぐ階段からも名建築の匂いがします。
須田悦弘さん
須田悦弘さんは植物をモチーフにした木彫作家さんです。独学で木彫の技術を磨き、多摩美術大学を卒業後に1年間日本デザインセンターに勤務し、銀座のパーキングエリアで初個展「銀座雑草論」を開催しました。銀座のギャラリーは値段が高いため、自作のリアカーを展示空間にし、時間貸しのパーキングエリアを移動しながら個展を開いたというアバンギャルドな方です。
主に朴の木を使って、本物と見紛うような植物の木彫作品を制作されています。

美術館の石の目地から生えるヒナゲシの花。こんなところに作品が!という驚きと、これが木彫り!?という二重の驚きがありました。このように美術館のいたるところに作品が潜んでいました。

床のフロアコンセントからも雑草が生えていました。注意深く探さないと見落としてしまいそうなほど自然な雰囲気。

壁からはクレマチスの花が。他にも処女作の木彫作品の「スルメ」やプラチナでできた「雑草」などもあり見どころ満載でした。先週の新美の巨人たちではこちらの展示が紹介されていて、その制作風景なども分かる番組になっていました。BSテレ東で2月8日(土)23:30から再放送があるので気になる方はぜひご覧ください。