鳴子温泉にある早稲田桟敷湯へ行ってきました

先日の休日を利用して鳴子温泉へ行ってきました。無目的の旅だったのでノーチェックだったのですが、石山修武さんが改修した公衆浴場を見つけたのでご紹介します。
鳴子温泉は宮城県大崎市にある温泉街で、東北新幹線のはやぶさに乗れば大宮から2時間半ほどで到着することができます。大宮駅から新幹線で古川駅へ行き、古川駅からJR陸羽根東線で11駅先が鳴子温泉駅です。

最近トラブルの多い東北新幹線。この日も連結外れの事故の影響でこまちは運休、はやぶさもダイヤが大幅に乱れていました(泣

古川駅で新幹線からJR陸羽根東線に乗り換え。久々のワンマン列車で旅行気分を味わえました。車窓からの田園風景も良い雰囲気です。
鳴子温泉は福島県の飯坂温泉、宮城県の秋保温泉とともに奥州三名湯に数えられている温泉で、名産品としては鳴子こけしや栗だんごが有名です。温泉街の写真はあまり撮らなかったのですが、街中には実際にこけしのお店が沢山ありました。モダンなデザインのこけしも売っているので、鳴子でこけしを買うなら桜井こけしがおすすめです!

駅前には足湯ならぬ「湯めぐり回廊 手湯」があり、寒さで凍えた手を温めることができます。木造の可愛い建物で、椅子が沢山並んでいましたがこの日は貸切状態でした。回廊を進んだ先にお湯が張ってあります。

「湯めぐり回廊 手湯」の壁に年代を感じるポスターを見つけました。「1998年開湯」と書いてあるので25年以上前のポスターです。「昭和23年、7人の早稲田生が掘り当てた早稲田湯」と書いてあり、こんな共同浴場があるんだ~と流し読みしていたのですが、更に読み進めてみるとなんと「石山修武研究室の設計によって全面改修」と書いてありました。とっても気になるので行ってみることにしました。
調べてみると鳴子温泉には滝乃湯と早稲田桟敷湯の2つの共同浴場があるそうで、滝乃湯は200円、早稲桟敷湯は660円(550円から値上げしてました)でした。早稲田のブランド力を感じます。

ちょっと迷いながらも案内板を発見しました。坂道を上がった先にあるみたいです。

なんと黄色い建物でした。温泉街の中でバリバリに目立ってましたが、クリーム色に近い黄色なので悪目立ちはしていませんでした。

2階の道路面が入口になっていて、建物中央を通る階段を1階へ降りると左右に男湯と女湯が並んでいます。浴室は吹き抜けになっているみたいで期待大です。

エントランスを通過して、

この扉を空けると1階への階段が続いています。高さ150cmくらいの扉で、くぐって入る体験は茶室の躙口に近いイメージかもしれません。

人が写らなければ…、ということで許可をもらって1枚だけ写真を撮らせて貰いました。靴と荷物を小さなロッカーに入れて、受付を済ませてから浴室に向かいます。浴室は黄色とピンク色の壁で、吹き抜けがありハイサイドライトからは自然光が入ってくる気持ちの良い空間でした。3つの湯口があり、照明は懐かしい感じのする蛍光灯。テント小屋をイメージしたような一風変わった面白い浴室でした。(こちらに浴室の写真が載っていたのでよかったらご覧ください~鳴子温泉郷ゆとくらし)
旅を終えてから全国に建築家が手掛けた温泉施設がどのくらいあるのか気になって調べてみると、昨年に『温泉・銭湯・スパ・サウナ イラストで読む 湯けむり建築 五十三次』という書籍が発売されていて、早稲田桟敷湯もNo.47で紹介されていました。銭湯ブームもあってか東京は銭湯が多く、地方は温泉宿ばかりですが、共同浴場もいくつかあるみたいです。No.38の「神水公衆浴場」は以前に建築雑誌で見かけて気になっていたので機会があれば行ってみたいと思ってます。