TOKOROZAWA SUBURBAN COURT (トコロザワサバーバンコート)

■設計者コメント■

日本の建売分譲住宅の窮屈なプランは我々だけでなく皆不満を感じていることでしょう。しかしながら企業であれ個人であれ、狭い日本で土地を資産と考えた場合、資産効率の観点から建蔽率目一杯に計画するのは致し方ありません。分譲住宅の場合はさらに売り手の利益効率が優先します。しかし考えてみてください、本来の「快適に住む」という目的を考えると無駄に思えるスペースや、風通しや光の入り方や、空の広さ、植栽の配置など利益効率より優先すべき価値はたくさんあります。過去の公団住宅等は、土地を地方自治体が所有しているために、現代の分譲マンションより共用部にゆとりがあり庭も充実していました。そこで今回は分譲住宅で土地を個人の資産として所有するのではなく、賃貸の方がむしろゆったりと土地の活用が出来、生活の豊かさを得やすいのではないかと考え、そういった提案をして頂いた施主と出会うことができました。PFSがまず参考にしたのはアメリカの郊外住宅サバービアです。共有スペースを中心に、Single House（戸建て）６棟と、Terrace House（1棟3世帯）２棟が程良い距離感を持って囲んでいます。セットバックされた２階部分が空の広さを引き立て、各戸が芝の庭と多用途に使えるバックヤードを有します。小さくて機能しない様な玄関や廊下はつくらず、各戸74～78㎡とコンパクトながら20帖のＬＤＫやゆったりとしたランドリールームを確保することを優先しました。Solso Farmによる植栽も、単なるデコレーションではなく、木陰に集まる人の風景や、最低限守るべき距離感など機能面も考慮し計画されています。「所沢サバーバンコート」が、人間的な躍動感と豊かさを放つ場所として、永く所沢で愛される場所になることを願っています。（設計担当：桝本由揮）

■オーナーコメント■

広々と心地よい敷地　自由で開放的な建物　木々と過ごす郊外の暮らし

電車で池袋２１分、新宿２９分、渋谷３９分。所沢は都内から最も近い郊外の一つTOKOROZAWA SUBURBUN COURT（所沢サバーバンコート）は所沢駅徒歩８分の好立地にありながら５００坪の広々とした敷地を持ち、「所沢だから出来る事」、「この土地だから出来る事」、「賃貸物件だから出来る事」、「本当に気持ち良い暮らしとは何か」をとことん追求し造られた、緑豊かな戸建て賃貸住宅群です。建物は所沢における良質な建築デザインとして米軍ハウスに着目。当時は自由の象徴として、そして現代ではその外国的な雰囲気を活かしカフェなどにも転用されるなど、いつの時代も高い人気を誇っているからだけでなく、今なお米軍通信基地があり続ける所沢の重要なルーツだからです。当プロジェクトでは米軍ハウスを復刻するのではなく、自由さ、解放感といった本質的な精神だけを抜き取ることが重要だと考え、設計を米軍ハウスの現代的な解釈を得意とするPACIFIC FURNITURE SERVICEに依頼しました。また、郊外型の暮らしを提案する上で大きな意味を持つ緑地は、スタイリッシュさだけを優先して選ぶのではなく、大人も子供も楽しめる遊び心のある樹木を求め、洗練されたセンスと豊富なアイデアを併せ持つSOLSOにお願いしました。広々とした気持ちの良い空気が流れる敷地、自由で開放的な住宅、遊び心のある木々。週末は庭で家族や友人とBBQを愉しみ、時にはテントでキャンプ気分。そんな心地よい郊外の暮らしこそがTOKOROZAWA SUBURBUN COURTのたどり着いた答えです。

■共有品■

入居者の皆様にお使いいただける共有品があります。