TPO STORES INTERVIEW


MIMOSA / 表参道
フィオラ南青山
繊細さが織りなすシンプル美。 至高のお料理を落ち着く空間で。
-フィオラ南青山を見つけたきっかけ
建築やプロダクト、インテリアといったデザインに造詣が深く、「もともとデザイナーズ物件を見るのが好き」という南さん。
その日も、何となくTPOのホームページを見たところ、飲食可のテナント募集が偶然出ていたので問い合わせをしてくださったそう。
もちろん、一般的なテナント募集サイトでも探していたものの、重飲食(中華料理の様な、調理で油を多く使用したり臭いの出る業態)は断られる場合も多く、重飲食可と出ていても、建物の場所や佇まいとMIMOSAのコンセプトとのバランスが難しいと感じていたとのことで、
「本当にたまたま、タイミングだった」と、デザイン好きの南さんならではのきっかけでした。
フィオラ南青山を内見した時はまだ建築中で、建物ができていない状態だったという事でしたが、TPO物件のデザイン性に期待して申込みを決めたそうです。
-内装のこだわり
MIMOSAはオープン当初テーブル席でしたが、2021年に現在のカウンター席に改装しています。
改装のきっかけは、「食洗器を入れたいというのが大きかった」と南さん。
メンテナンスのタイミングという点も踏まえて、移転するか改装するかを検討した結果、改装に至ったとのこと。
内装設計は、南さんの知人でSURF Architectsの平木氏。
聞くと平木氏は小川晋一都市建築事務所(※1)出身だそうで、なるほど、使用している素材に見覚えが。しかも、アシハラヒロコデザイン事務所(※2)にも勤めていたそうで、親近感を覚えます。
(※2)TPO STORES「來経」の内装デザインを担当
内装デザインのオーダーは、メンテナンスのしやすさも含めて「なるべくシンプルに」。
加えて、MIMOSAのコンセプトである「ゆったり食べられるレストラン、落ち着いて、居心地良くいられる場所」を作り出すために、色は多用せず、白とオークのみで優しく落ち着いた雰囲気を。椅子はTYME&STYLEで選んだそうです。
ドアノブをなくし凹凸を極限に減らした壁面収納、カウンターや調理台、椅子の背の高さを揃えた水平の広がり、露出するとどうしても存在感が出てしまうエアコンや照明等の電気系統を、薄い板が一枚浮いている様な軽やかなデザインの裏に隠す等々。
シンプルという美しさの中には繊細な工夫が詰まっていました。
-今日のコースメニューについて
シンプルな中に詰まった技巧はお料理にも。
ディナーのコースメニューは12品。
蟹みそを付けながら食べる濃厚な味の毛蟹パイから始まり、ソースが抜群の鮑やぷりぷりの牡丹海老、絶品の叉焼、フカヒレの入ったアボカドと枝豆のスープ…と次々に美味しい料理が続き、1品1品はあっという間に食べ終わってしまうのですが、半ばで既に腹八分目を超えるボリューム。
更に、出汁で蒸したハタを香味醤油でいただき、柔らかなかすみ鴨にネギが好相性の炒め物、意外にも四川の方が辛くないという四川回鍋肉、金華ハムの炒飯の後にあさりがどっさり乗った汁そばをいただいてメインは終了です。
最後に、デザートの紹興酒アイスを、スガハラの薄く上品な器で。フリーハンドで描いたような柔らかな器のラインとアイスの甘みに癒されました。
TPOスタッフ以外にも3組がコース料理を楽しんでいましたが、表参道という土地柄、お客様の属性は様々。
来る時間も違えば滞在時間も異なる中、それぞれの状況に合わせてメニューを一部変える等の細やかな気配りや、南さんとお客様のちょっとした会話を楽しむ様子にも和み、時間が過ぎるのを忘れてしまうひと時でした。
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オーナーシェフ 南俊郎氏 プロフィール
1983年徳島県生まれ。
大学卒業後、東京と大阪で修行し、新宿のシェフスで7年間料理長を務める。
2016年に独立、MIMOSAをオープン。
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