TPO STORES INTERVIEW
path / 代々木公園
A-FLAT
海外の地方でふらっと出会ったような、 自由で多様性のある場を。
オーナーシェフの原さんとシェフパティシエの後藤さん、2名で共同経営しているpath。
今回は原さんにお話を伺いました。
―物件との出会い
もともと渋谷の路地裏にお店を持っていた原さん。
“渋谷区で1階の20坪くらい”という幅広い条件で探していたところ、当時駅前の商店街で建築中のA-FLATに出会い、「次のお店は商店街も良いなと思っていて、イメージにピッタリだった」そう。
更に、代々木公園のエリアは原さんが10代の頃に友人宅を訪れる際によく来たことがあって、土地勘もある場所という縁も。
個性的なお店が多く、カルチャーのある代々木公園の街であれば、原さんと後藤さんの目指すpathに共感してくれる人が多いのではと考え、A-FLAT(エーフラット)に決定したそうです。
実際、学生さんから50代くらいまでの様々な国籍のお客様が来店し、pathを楽しむ層の間口の広さが伺えます。
商店街の方にも快く受け入れてもらい、気持ちよく営業できているそうです。
A-FLATのオーナーも時々テイクアウトで訪れるとか。
-内装について
pathは軒先に少しの屋外空間があり、ベンチが置かれてちょっとした待ち合いに。店内に入ると手前にはカウンター席(カウンターの一部でテイクアウトの販売)と2人掛けのテーブル席、奥には人数の調整が可能なソファ席という構成です。
内装は、インテリアやデザインが好きな原さん主導で。
コンセプトは、「海外の地方でふらっと入ったお店」。
特定の国は無く、“どこでもなく、どこでもいい”のだとか。
見る人によって、アメリカっぽいとか、北欧、はたまたフランスっぽいと言われることもあるそうで、「狙い通り」と笑う原さん。
「誰にも突っ込まれたことないんですけど、腰壁に謎柄のタイルを使ったりして」と、海外の地方のお店あるある“謎柄のタイル”を貼る遊び心も。(壁の腰高まで貼られているタイルです。)
至るところで使われている古材や、ペンダントライトが作る店内の落ち着いたトーンも、皆それぞれが持っている海外のどこかのビストロを思わせました。
設計者選びに関しては、「(既に原さんの頭の中にある)イメージを伝えれば理解してくれる人」を探し、イメージ写真を送りながら進めていったそうです。
-空間と料理
注文したのは、path名物「ダッチパンケーキ」。
パンケーキがオーブンで焼かれている間、カウンター越しに調理場が見えるので、料理が作られていくライブ感を楽しむことができます。
ダッチパンケーキはふんわりしっとり、もちもちのブッラータチーズが伸びて、異なる触感が混ざり合い、生ハムのしょっぱさとシロップの甘さでエンドレス。
思った以上にボリュームがあり、1品で充実のランチでした。
レコードから流れる心地の良い音楽をBGMに、各々の時間を美味しい料理と共に過ごす“どこか”が広がっていました。
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オーナーシェフ 原太一氏プロフィール
1981年、東京都生まれ。学生の頃、音楽やデザインなどを総合したカフェ・カルチャーに影響を受ける。
その空気感とレストラン・レベルの料理を出す店を持ちたいと、大学卒業後、レストラン、ビストロなどを経て、キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロで研鑽を積む。
2011年にBistro Rojiura、2015年にPATH、2019年にLIKEをオープン。
シェフパティシエ 後藤裕一氏プロフィール
1980年、東京都生まれ。学生時代、「食べるものをデザインする」フランス菓子に感銘を受ける。
大学卒業後、オテル・ドゥ・ミクニで「レストラン・パティシエ」としてのキャリアをスタート。
その後キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロで研鑽を積み、フランスのトロワグロ本店で4年間シェフパティシエを務める。
帰国後、SUGALABOの立ち上げに携わり、2015年にPATH、2019年にEqualをオープン。2017年よりTangentesを始動。
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